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ご依頼様
50代 女性
ご依頼内容
遺産分割
相談前の状況
本件では、戦前の家督相続や、戦後の小作農の自作農化による土地取得など、様々な経緯がありながら、不動産の相続登記がなされずに、法定相続人が複雑かつ多数、存在する状態になっていました。その上で、かつての婚姻関係の結果、大きく2つの家系に分裂していたために、双方の家系の考え方や言い分が異なり、遺産分割の協議がまとまっていませんでした。そこで、遺産分割調停を申し立ててほしいとの依頼があった事案です。
ご依頼後の解決方法
当方が遺産分割調停の申し立てを準備している間に、相手の方が先に、弁護士に依頼して遺産分割調停の申立を行い、家庭裁判所で遺産分割調停が開始されました。本家の土地、建物をどちらの家系が承継するか、離れた場所にある墓所をどちらの家系が承継するか、また具体的な分割案によれば、法定相続分と現実の分割割合とに不均衡が生じる点をどうするか、論争になりましたが、最終的には、当方の依頼者が望む形での遺産分割の方法で遺産分割調停が成立し、解決しました。
弁護士からのコメント
何らかの理由で、相続登記がなされずに、明治時代や大正時代に生まれた方(すでに死亡)の名義のまま放置されている土地・建物は、今でも多くあります。このような場合、子供、更には孫と、法定相続が進んでしまっているため、法定相続人が10名を超える状況になっていることも、少なくありません。今回の事例では、戦前の家督相続なども絡んでいたため、2つの「家」(家系)の争いになっていました。法定相続人が多すぎると、議論が複雑になるため、双方の家系で、相続分の譲渡により紛争当事者の数を、双方の家系を代表する各1人名(計2名)に集約しました。その結果、協議が進展し、調停成立に至った次第です。
