遺産の分割方法と基礎知識

遺産の分割方法には、「現物分割」「換価分割」「代償分割」があります。それぞれの方法を理解し、メリットとデメリットを考慮した上で、最適な遺産分割を行うことが重要です。  

1 現物分割  

現物分割は、「甲という物はAさんに、乙という物はBさんに、丙という物はCさんに」といった具合に、物品や不動産などを、実際の所有者に分割する方法です。

現物分割は、物品や不動産の実際の所有権を分割するため、所有する資産が明確になります。そのため、財産の管理や売却などが容易に行えるというメリットがあります。

一方で、相続人間での合意が難しい場合や意見の食い違いが生じる場合もありますので、注意が必要です。  

2 換価分割  

換価分割は、不動産などの資産を売却して現金化(換価)して、その現金を相続人間で分割する方法です。

換価分割は、現金を分割するため、相続人間の間に遺産が均等に分配されるというメリットがあります。

一方で、資産の現金化(換価)には時間や手続きがかかることがデメリットとして挙げられます。

3 代償分割の特徴  

代償分割は、遺産に含まれる不動産等について相続人間で評価額を合意し、その合意した評価額に基づいて、当該不動産等を取得する相続人が、他の相続人に対して、他の財産や権利(代償金)を提供する方法です。

この方法では、相続人間が合意した価値での分割が行われるため、その評価の公正性や相続人間の合意が重要となります。

代償分割のメリットとしては、相続人間の合意に基づき自由な分割が可能であり、納得感のある分割が行える点が挙げられます。

その一方で、デメリットとしては、評価の公正性や相続人間の合意が困難である場合があり、争いやトラブルの原因になる可能性がある点があげられます。

keyboard_arrow_up

0829620339 問い合わせバナー 事務所概要・アクセス