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ご質問
親が7年前に亡くなりました。相続人は私と妹の2人だけなのですが、遺産分割の話し合いをしないまま、今に至っています。
そろそろ何とかしないと、と思っていたのですが、最近、遺産分割に期限ができたという話を聞きました。期限はどう決まってるのですか? また、もし期限を過ぎてしまったら、どうなるのでしょうか?
遺産分割には期限があります
遺産分割に関する期限としては、相続税の申告期限(相続発生から10か月)がよく知られています。小規模宅地等の特例の適用を受けるには、原則、申告期限までに相続税申告をする必要があるので、それまでに遺産分割を完了させようとする動機付けになります。
ただ、遺産が相続税の基礎控除額の範囲内に収まっている場合などでは、この動機付けが働かず、遺産分割がされないまま放置されてしまうケースもあります。そこで、令和3年の民法改正で、遺産分割についての一定の期間制限が新たに設けられました。
遺産分割は、法律が定める法定相続分、もしくは被相続人が指定する指定相続分を基準とした上で、遺産形成への貢献である「寄与分」や、遺産の先渡しに相当する「特別受益」といった修正要素を加味して算出される具体的相続分で分割します。
改正法が施行される令和5年4月1日以降は、相続開始後10年経過した場合は、原則として「寄与分」「特別受益」による修正を加えることができず、法定相続分・指定相続分で遺産分割することになります。
「親の事業を手伝った」とか「兄は多額の生前贈与を受けた」といった事情を遺産分割に反映させたい場合は、期間制限を経過する前に遺産分割する必要があります。
なお、相談者の相続は7年前に発生したとのことですが、施行日以前に発生した相続にも改正法は適用されます。この場合は経過措置により、施行日から少なくとも5年の猶予期間が設けられています。
遺産分割の期限が心配になったら。弁護士にご相談ください。
遺産分割の期間制限について不安に思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度弁護士にご相談ください。